加藤竹彦

古川古松軒の『西遊雑記』では、一対一の約束を武蔵之助が破って門人数人を連れて舟島に渡ったのを見た浦人たちが「岸龍」をとどめたが、「武士が約束を破るは恥辱」とこれに一人で挑む。しかし武蔵には4人の門人が加勢していて、ついに岩龍は討たれてしまう。浦人たちは岩龍の義心に感じてこの舟島に墓を作り冥福を祈り、それ以来ここを「岩龍島」と呼ぶようになった、とある。